氷上に駆けるKAZE ver.

リリース日:2021年4月28日
ボーカル:雨歌エル

作者コメント
確かテレビの番組で、生態を追うドキュメンタリーで、流氷から陸へ上がれずそのまま流されてしまったホッキョクグマを追い続けた作品を見たことがあります。
強烈にそのワンシーンが頭に残っていて、ああ、まるで東京に身を置く僕の様だと、勝手に重ねてしまった所から、この氷上に駆けるという曲は産まれました。
東京では、誰も何も教えてくれません。
其処での生き方は、己の考え次第で変化していきます。
昔やったごっこ遊びの延長で、「ここからここまで僕のもの」と言い、砂に書いた円の中で遊んだ事があります。
東京での暮らしはそのごっこ遊びと同じで、ある一定の範囲を自分で定義し、「居場所」を見つけることで、人々はQOLを高めようとします。
故に、世界は狭くなります。
東京・ドリームを追い、「世界は広いぞ」と意気込んで上京した方は共感出来るのではないでしょうか。
世界が狭くなると、人は逃げられなくなります。
足枷も、牢の鍵も、全ては自分で用意したにも関わらず。
そうした自分の世界での不幸は、他人から見れば東京の雑多な景色と同じで、誰も気に留めてくれません。
ごっこ遊びを公園の外から見る大人の様に。
「相対的な、エモーション」と歌うのにはそうした意味がありました。
外の景色の存在には、気が付きました。
これから、どうやって走りだそうか。
ちょっとだけ考えている所です。