東京幻想旅行記／ feat. 可不 (椎乃味醂 Remix)

作者コメント
重々しく鳴り響くサウンドは、彼の街を往く人々の、裏側に存在するすべての思念を表現したかのような重力を纏っているようです。世情や都会。所謂、現代文明における大衆を指さし、そのテクニックと言葉で心を揺らす彼の音楽性は、原作の、「人間の二面性」を冷たく、重々しく、表現してくれるだろうと思い、リミックスを依頼しました。

人は文明に触れる時、同じ空間に居る人間の顔を見て行動します。流行りの服を着る。おすすめのデートスポットに行く。高評価のディナーを食べる。

其処にはもはや個人は存在しません。故に僕たちは他人に無関心を貫きながら、和を乱さないように振舞います。ジレンマを抱えながら。

文明における個人の喪失。そうした「人間らしさ」を、突き刺すような冷たさと重さを持った音楽として表現してもらいました。